内部表現vs外側評価

コーチング実践者が陥る構造的矛盾
「ゴールを設定し、達成する前にさらに高いゴールを設定し、また達成する前にさらに高いゴールを設定して……」
この繰り返しに、あなたは違和感を覚えたことはありませんか?
外側に答えを置いた瞬間、”正解”は永遠にあなたの手の届かない場所へ移動していく。
これは、多くの実践者が無意識に陥る”コーチング理論の誤解”です。
そして実は、この違和感こそが、コーチングの本質を理解する入口なのです。
「ゴールを上げ続ける=外側に正解を置く」という誤解
結論から言えば——
「ゴールを上げ続ける=外側に正解を置く」という構造になってしまうと、コーチングは”永遠に満たされない装置”になります。
ただしこれは、コーチングの思想そのものがそうだという意味ではありません。
多くの人が“誤った解釈”でゴール設定をすると、そういう構造になってしまうのです。
実践者が陥る「外側化」のメカニズム
ゴール設定を学んだ多くの人が、こう考え始めます:
- 「スケールの大きさ」こそが良いゴールだ
- 「社会的インパクト」が大きいほど価値がある
- 「抽象度の高さ」で評価される
- 「他者貢献の規模」で測られる
すると、こんな循環が始まります:
- 「他人が羨む規模」でゴールを作る
- 達成前に「もっと社会貢献度が高い」ゴールを乗せる
- また達成前に「さらに大きい」ゴールを乗せる
- ずっと届かないままエスカレートしていく
- でも「現状の外」であるべきだと言われているから引き返せない
結果として、永遠に自分にOKが出せない構造が出来上がります。
これはまさに、冒頭の構造そのものです。
コーチングの本来の思想を取り戻す
内部表現と臨場感の原則
コーチングの根底には、こんな原則があります:
- 「すべては内部表現である」
- 「臨場感が高い世界が現実をつくる」
つまり、本来のゴール設定は、外側の基準ではなく、「自分の内部表現の世界が、自然に望む未来」を設定するものです。
ここには、比較も承認欲求もありません。
本来のゴールには、こんな動機は含まれません:
- ❌ もっと評価されたい
- ❌ 誰かに認められたい
- ❌ 凄い人と思われたい
- ❌ 社会的に価値あることがしたい
「現状の外」は、規模の話ではない
コーチング理論を深く読み解くと、本来の「現状の外」とは“規模”のことではありません。
「自分のコンフォートゾーンの外」「今の自己イメージを超えていること」——これが”現状の外”です。
つまり:
- 「世界を救う」という巨大ゴールが現状の外になる人もいれば
- 「今日は穏やかに過ごす」が現状の外になる人もいる
規模の大小こそが、誤解の始まりなのです。
永遠に満たされないのか?──本質的にはNO
コーチングの本質思想は、“内部表現の変化=満たされるプロセス”です。
むしろ、本質を理解して使うと:
- 生きることがどんどん楽になる
- 淡々と自然体で創造できる
- 力まずに未来をつくれる
これが“本来のコーチング”です。
満たされないのは、いつなのか?
満たされないのは、こんなときです:
- ゴールが「外側化」しているとき
- 自分の内側に基準を戻していないとき
- 自己イメージとの乖離を埋めるためにゴールを使っているとき
内側に基準を戻すことは、矛盾しない
「内側の満たされ感を取り戻すことは、コーチングのゴール更新と矛盾するのでは?」
この疑問に対する答えは——
★【答え】矛盾しない。むしろ本質に近づいている。
本来のコーチングは、“内側(内部表現)が満ちるほど、自然に外側の成果が生まれる”という思想だからです。
理論構造として言えば:
- 外側のゴールは、手段であって目的ではない
- 人生の”安心と満ちる感覚”は、内側にしかない
その感覚が戻ると:
- 苦しさのないゴール設定ができる
- 無理のない創造が始まる
- 自然体で現状の外へ進める
- 逆に成果は勝手に付いてくる
という循環が始まります。
健康的なコーチング実践へ
「外側巨大ゴール」の弊害を理解し、そこから抜けてきた視点で言えるのは——
内側が満たされていないまま外側のゴールを追い続けても、それは”永遠に満たされない装置”になるだけということです。
逆に、内側に基準を戻すと、コーチングは本来の力を発揮し始めます。
これは、コーチング理論の”誤解を解く”プロセスであり、同時に”本質に還る”プロセスでもあります。
あなたが感じている違和感は、正しい
もしあなたが「ゴールを上げ続ける」ことに疲れや違和感を感じているなら——
それは、あなたの内側が「本来のコーチングはこうじゃないはずだ」と教えてくれているサインです。
外側化したゴールを、内側の基準に戻す。
このプロセスこそが、コーチングを”永遠に満たされない装置”から”自然に満たされる創造プロセス”へと変えていきます。
そしてそれは、コーチング理論の本質と完全に一致しているのです。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
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