「未来の臨場感」が腑に落ちない人へ──その違和感こそが、理解への扉

違和感こそ分岐点
「現状の外のゴールに臨場感を持て」と言われても、どこかしっくりこない。そんな経験はないでしょうか。
一方で、「こうなってほしくない未来」を不安に感じて、結局その通りになってしまった経験は、多くの人が持っているはずです。同じ「未来への臨場感」なのに、なぜ一方は簡単で、もう一方は難しいのか。
この違和感こそが、コーチングを理解する上での最も重要な分岐点です。
「不安の臨場感」と「ゴールの臨場感」は、根本的に異なる
表面的には似ている2つのケース。しかし、その本質はまったく違います。
不安による未来の「実感」は、厳密には臨場感ではなく、恐怖による想像の固定化です。脳科学的に言えば、扁桃体が活性化し、「この危険を回避せよ」と脳が指令を出す。その結果、注意のエネルギーが不安イメージにロックオンされ、無意識にその方向へ向かう選択を繰り返してしまうのです。
では、ゴールの臨場感とは何か。
多くの人は「望ましい未来を映像で思い描き、感情を盛り上げること」だと誤解しています。しかし、コーチングで扱う臨場感の本質は、自己の定義そのものを未来側にシフトすることです。
「引き寄せ」ではなく「自己定義の書き換え」
整理すると、こうなります。
- 不安の臨場感:「今の自分(過去の自己定義)」が、未来を外側の出来事として恐れている
- ゴールの臨場感:「未来の自分(新しい自己定義)」が、今を通過点として眺めている
「引き寄せ」という言葉は、外界の現象を変えようとする発想です。しかし、コーチングが扱うのは意識構造──つまり自我のフレームそのものの変化です。
たとえば「世界的に影響を与える人になっている自分」をゴールに設定したとき、重要なのは未来のイメージそのものではありません。その未来の自己イメージに合わせて、「何を大切にするか」「どんな行動が自然か」が書き換わることです。
その自己定義の変化こそが、現実を変える原動力になります。
臨場感とは「どの自分にとっての現実か」
ここが腑に落ちると、すべてがつながります。
- 「不安の臨場感」=過去の自分にとっての現実
- 「ゴールの臨場感」=未来の自分にとっての現実
コーチングで「ゴール側に臨場感を持て」と言うのは、未来の自己定義を、今の自分の現実にするという意味なのです。
どうすれば腑に落ちるのか
3つのステップで試してみてください。
1. 映像ではなく「自己の立ち位置」を感じる
未来の自分が、今の自分をどう見ているか。「ああ、今は成長の途中だな」「よくここまで来たな」といった視点です。
2. 未来の自己に「居る感覚」を思考の起点にする
「もしすでにその自分なら、今この瞬間、何を大事にするだろう?」と問いかけてみる。
3. その感覚のまま、日常の選択を1つ変える
未来の臨場感は、行動と一致した瞬間に実感へ変わります。
「未来を感じる」とは、未来の出来事を想像することではありません。
未来の自分として、今を生きること──それが、臨場感の本質です。
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