「結局うまくいく」は逃避じゃない——自己信頼が現実を変える構造

「最終的には全て良くなる」と信じて生きることは、現実逃避でしょうか?

それは現実との関係性を変える選択です。


確証バイアスを味方につける

確証バイアスとは、自分の信念に合う情報ばかりを拾ってしまう心理的傾向です。普通はネガティブな意味で語られますが、これを「意図的にポジティブな信念」に使うとどうなるでしょう。

同じ出来事でも、「これはうまくいくための伏線だ」と捉える人と、「これは失敗の兆候だ」と捉える人では、その後の行動も感情もまったく違ってきます。前者は希望を持って動き続けるし、後者は萎縮してしまうかもしれません。

「うまくいく」と信じている人は、困難に対しても粘り強く、創造的に対応しようとします。結果として、実際にうまくいく確率が高まる。これは自己成就予言とも呼ばれる現象です。


盲目的なポジティブ思考との違い

ただし、ここで重要なのは「無理やりポジティブに考える」こととは違うということです。

無理なポジティブ思考は、イヤな感情に蓋をして「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせる逃避です。一方、「最終的にはうまくいく」という信念は、困難を認めた上で、それを含めた全体を肯定する創造なのです。

やろうと思ったことをやり続けていると、思い描いた通りになるかは別として、いろいろな大変な目に遭いながらも、結局予想もしない素晴らしい結果になる——この実感があるとき、それはもはや確証バイアスというより、自己信頼を取り戻した状態です。


自己信頼が現実を編み直す

確証バイアスは「信念に合う情報を拾うクセ」という受動的な選択です。しかし自己信頼は「自分の選択と歩みに対する能動的な肯定」であり、現実がどうであれ、自分の歩みを信じることで、意味づけが変わり、結果として現実も変わっていきます。

「予想もしない素晴らしい結果」は、この自己信頼がもたらす副産物です。思い描いた通りになるかどうかは重要ではなく、「やり続けたことが、思い描いていた以上の何かに変容する」という体験こそが、自己信頼の証明になります。


やり続けることがもたらす構造的変化

やり続けることで、何が起きるのでしょうか。

時間が味方になります。偶然が必然に変わり、出会い、気づき、変化が蓄積されていきます。

意味が後から立ち上がります。その時は「大変な目」に見えたことも、後から「あれがあったからこそ」と意味づけされる。これは物語の再編集の力です。

自己信頼が他者との信頼にもつながります。自分を信じて歩んでいる人は、他者にも信頼を向けやすくなり、結果として循環が生まれます。


三層構造モデル——あなたは今どこにいますか?

私の中で、人の内的変容は、三つの層を経て深まっていくと仮説を設定しています。

第1層:反応・防衛——恐れや不安、承認欲求に基づく反応的な行動。他者や環境に合わせて自分を守る選択が多い段階です。

第2層:自己理解・再構築——自分の内面を見つめ直し、過去の体験や信念を再編集する段階。「なぜそれを選んでいたのか」「本当は何を望んでいたのか」に気づき、自己信頼の芽が育ち始めます。

第3層:創造・循環——自己信頼をベースに、現実との関係性が能動的・創造的になる段階。他者との関係も「奪い合い」ではなく「循環」へと変化し、意図せずとも、結果的に「うまくいく」流れが生まれます。

「結局うまくいく」という感覚は、第3層に根ざした自己信頼の現れです。もはや「うまくいくかどうか」ではなく、「うまくいっている途中である」という確信が、現実を編み直しているのです。


あなた自身に問いかけてみてください

あなたが今いる層はどこですか?

最近の経験に、どんな意味づけを与えていますか?

自己信頼が芽生えた瞬間を思い出せますか?

「結果が素晴らしいから信じる」のではなく、「信じてやり続けたから、結果が素晴らしくなる」——コーチングを自らの人生で体現することにより、この構造的な循環が腑に落ちて自己信頼が湧き出るのです。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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