一念三千から見える在り方の道

コーチングを学ぶ中で、「理想の自分」と「今の自分」のギャップに苦しむことがあります。

もっと成長しなきゃ。もっと変わらなきゃ。
理論を追い、正しさを求めるほど、「今の自分ではダメだ」という声が強まる。
でも、それは誰かの“正解”を生きようとしたときに起きる自然な反応なのです。

仏教の智慧に「一念三千」という言葉があります。
たったひとつの「念(おもい)」の中に、三千もの世界(森羅万象)が含まれているという考え方。
つまり、今この瞬間の“在り方”が、未来も世界もすべてを内包しているということ。
ゴールや成功の先に豊かさがあるのではなく、今この瞬間の「在り方」がすでに未来なのです。

未来の予測がどれほど科学的でも、どれほど影響力のある人が語っても、
結局それは、たった今この瞬間に想像されている“仮”の物語に過ぎません。
だからこそ、「今」感じる小さなワクワクを信じていいんです。

未来を“こうなっちゃうかも”と恐れて動くと、
その不安がスコトーマ(心理的盲点)となって、
“すでにそうなっている”かのような世界しか見えなくなる。
逆に、“どんな未来も描ける幻想”だと知っていれば、
不安もワクワクも、単なる「役割」として扱えるようになります。

ここで大切なのは、「空観」「仮観」「中観」。
あらゆる情報や感情を空(くう)として捉え、
仮の意味を与えつつも、依存せずに真ん中で観る在り方。
それが、自分自身の軸を取り戻す鍵です。

コーチングは、何かを足すための技術ではありません。
むしろ、不要な判断や期待を削ぎ落とし、本来の自分に還っていくプロセス。
分離を無理に埋めようとせず、丁寧に味わい尽くしたとき、
いつの間にか統合が訪れる──これは理屈で起こす変化ではなく、“受容”による自然な変化です。

一念三千とは、未来を変える特別な行為ではなく、
“今”の念をどう扱うかという在り方の問題です。
だからこそ、「今の自分をどう扱うか」が、全世界への関わり方になる。

足踏みの日もあるかもしれない。
でも、その一歩一歩に全ての可能性が含まれているとしたら?
「すべて順調だった」と笑える日は、実はいつだって“今”から始まっているのです。

誰かの正解をなぞらず、自分の“真我”とつながること。
それが、未来を超えて、今を生きるということなのです。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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