マインドの変化を狙わない

分離を味わい尽くすということ

「今の自分」と「理想の自分」
「こう在りたい自分」と「現実の自分」
コーチングに向き合うと、私たちはまず“分離”を痛感します。

成長しようとするとき、何かを乗り越えようとするとき、
どうしても“今の自分は未完成で、まだ足りない”という感覚が出てくるものです。
それは決して悪いことではありません。むしろ自然なプロセスです。

でも、この分離感を「早く埋めなければ」「変わらなければ」と焦ってしまうと、
目の前にある“今の自分”を否定したまま進もうとする苦しみが生まれます。

私自身、理想の状態に向かおうと必死だった頃、
「早くゴールに到達しなければ意味がない」
「変われていない自分はコーチとして失格ではないか」
そんな風に自分を責め続けた時期がありました。

でもある時、ふと立ち止まってみると、
“まだ理想に届いていない”と思っていたはずの自分が、
以前の自分と比べて、確かに変化し、深まっていたことに気づいたのです。

変わろう、統合しよう、とするほどに分離は浮かび上がり、
「どうしたら統合できるか」と頭で考えるほど、
ますます「分離している今」に違和感が生まれます。

けれど、その“分離そのもの”を否定せず、
味わい尽くし、丁寧に感じ、対話していくと、
ある日ふと「あれ?もうそんなに分かれてないかも」と感じる瞬間がやってくる。

統合は「努力の成果」として訪れるのではなく、
“受容”を通して、気づけば起きている自然な変化です。

それはちょうど、
寒さの中でじっと春を待ち、
いつの間にか芽吹いているような感覚に近いのかもしれません。

コーチングは、成長のために自分を“良くする”手段ではありません。
むしろ、“今の自分と丁寧に繋がる”ことが、変化の土壌になります。

分離を無理に埋めようとせず、
むしろしっかりと味わい、認め、抱きしめていくことで、
気づけば統合が始まり、地に足のついた在り方が芽生えはじめます。

コーチングの本質は、変わることではなく、
本来の自分に戻っていく旅なのかもしれません。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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