存在とコーチングに触れる

🌀「コーチング」とは、“理想を追う技術”ではなく、“本質に還る実践”

「現状の外へ移行し、ゴールを達成し続ける人生を──」

そんな言葉に、かつての私は強く惹かれていました。
「もっと価値ある自分に」「もっと何者かに」と、理想に燃えて走っていたあの頃。

けれどあるとき、ふと気づいたのです。

理想を追っているつもりが、いつの間にか「今」を否定する生き方にすり替わっていたことに。


◆ コーチングの誤解:「何者かになる」ための技術?

コーチングは、ゴール設定やビジョン構築の技術だと思われがちです。
実際にその側面はありますし、実践的な成果も多く生まれます。

でも本質はそこではありません。

“何かを成し遂げるため”に、自己を変え、現状を否定し、「まだ足りない」と走り続ける──
それは“外側の世界”に価値の基準を委ねている状態です。

そして、どんなに成功しているように見えても、
その内側では「もっと、もっと」と満たされない何かに追われ続けている。

コーチングが“自分を高める”ためのツールになった瞬間、
それは“自由”ではなく、“義務”に変わっていきます。


◆ 本質のコーチングとは、「何も成していない今」に還ること

「現状の外」とは、“成功した未来”のことではありません。

現状の外とは、
“何も手にしていなくても、今この瞬間に涙が出るほど幸せを感じられる自分”に出会うこと。

「成す前から、すでに満ちている」
そんな在り方こそが、コーチング実践の本質です。

そこに立てたとき、人は自然に動き出します。
誰かに認められるためでもなく、未来の不安を埋めるためでもない。
ただ、自然と湧いてくる願いが、行動へとつながる。

そのとき初めて、「ゴール」は“達成”ではなく、“表現”になります。


◆ 過去は関係ない。でも「無視していい」わけではない

「過去は関係ない」というコーチングの一節は、よく誤解されます。

たしかに、未来は過去の延長でなくていい。
でも、過去を無視して“未来だけを見ろ”と使ってしまうと、
それは“今を感じる自分”すら無視してしまう危うさを孕みます。

本当に未来を選び直すには、
今この瞬間の自分の「違和感」や「痛み」に正直であることが大切です。

無理にポジティブにならなくていい。
むしろ、その“声にならない感情”に気づいてあげられることこそ、自己変容の入り口になります。


◆ 「闘い」から「静けさ」へ──コーチングの可能性

理想を目指す日々は、気づけば「闘い」になっていることがあります。

もっと、もっと。
やらなきゃ、成し遂げなきゃ。
誰かに認められなきゃ。

そうやって「今」をすり減らしていたら、
どんなに素晴らしい未来も、結局“通り過ぎる景色”になってしまう。

本当に大切なのは、「今この自分で、もう十分」と感じられること。
その“静かな安心”があるからこそ、人は自由に創造できるのです。


◆ 最後に:本質に触れ続けるために

コーチングとは、「教えを信じること」ではありません。
それは、教えすら超えて、「ただ在る」ための実践です。

何者かになろうとせずとも、
何も成していなくても、
ただ今にいることがこんなにも豊かだと実感できたとき──

人は本当に「現状の外」へ移行するのだと思います。

そして、そんなプロセスに寄り添う存在として、
コーチという在り方がますます重要になっていくのです。

だからこそ、もし理想の未来に疲れたら──
“走る”のをやめて、“立ち止まり”、
“味わう”ことから、また始めてみてください。

きっとそこに、あなたの真実が息づいています。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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