
過去の出来事自体の重要性を無くす
コーチとして、様々な人の話を聴く機会があります。
自分の「こうありたい!」という輝きのまま行動して、何年もかけて「ついに完成した!」と思ったら、既にその完成を先に成し遂げた人が居たので、何年もかけたものが無駄になり、称賛されなかったということでショックを受けるということもあるかもしれません。
これは、コツコツ積み上げてきたものが、ガラガラと崩れ落ちるようなショックを受けるでしょう。
このショックを「ガツン」と喰らい、自我が受け入れて目の前が真っ暗になるような状態になると、一気に未来志向で無くなってしまいます。
逃避的に正常な生活をすることを拒否したり、防御的に二度と劣等感を味わないように理論や資格で塗り固めたりなど、内側の輝きを閉ざし、外側で自分を理解してもらおうとする流れになりやすいのです。
そうなると喪失感も手伝って、「他に何もやりたいことがみつからない・・・」という状態になり得ます。
このブログを読んでる人の視点だと俯瞰的に見ている可能性が高いので、「仕方ないよ。劣等感なんて感じる必要ないよ」とか「自分や、完成するまでのプロセスを知っている人達が称賛すればいいんだよ」というようなアドバイスというか意見もあると思います。
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まずは、ゴールの達成の基準が「これ!」というように、1パターンしかない状態で諸突猛進すると、挫折やショックを味わう可能性が高いですし、もし「これ!」を達成しても「つぎ!」を設定してないので、ひと時の達成感だけで、その後も人生が続きますし、「あれ?オレ何やりたいんだっけ?」というような喪失感に襲われます。
オリンピックで金メダルを獲得する事だけをゴールとして、「うぉぉー!」とイキイキと取り組んでも、僅差で負けて銀メダルだったらショックを受けるわけですし、「その競技で活躍する自分を見た多くの人に、勇気や感動を与えたい」とか、「活躍して有名になって多くの人に良い影響を与えたい」というようなゴール設定だと、金メダルを目指しながら、それ以外にも無限の可能性が広がります。
金メダル取れなくても、その瞬間ショックは受けるかもしれませんが、ゴールが金メダルに固定されてないので、切り替えて本来の目的のために思考を始めます。
目的的思考ということです。
ゴール自体の数を増やすことでも、多くの目的があるので、 例えば活躍する前に怪我をしてその競技ができなくなってしまっても、 一時的な大きいショックはあると思いますが、一つの目的に捉われ過ぎずに未来志向をキープできるでしょう。
しかし、最初に書いた、ゴール達成を「これ!」と固定して、その通りにいかなかった当人のショックはリアルな臨場感の高い体験であり、抽象度がグッと下がるため、高次から見ることが出来なくなってしまいますし、これを読んでるあなたも、自分が似たようなショックを受けたときに、グッと抽象度が落ちる可能性が高いのです。
抽象度が下がった状態で見失ってしまうものは何か?
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各々いろんな生き様がありますが、どこかに自分の内側から溢れ出す輝きにより「こうありたい!」という情動によってイキイキと行動した経験がありますね。
その出来事自体は過去のことなので関係ないというのは、「こうありたい!」という未来に、過去の出来事自体なんて時間軸が違うし影響し合わないのです。
しかし、その時感じた自分の内側の輝きが溢れ出すときに味わう情動!
この素晴らしい心を揺さぶる情動記憶!
この情動記憶は「こうありたい!」未来のイメージに臨場感を感じることに大変役立ちます。
出来事自体は関係ない。情動記憶は役立てられる。
抽象度が下がると、これを見失っています。
このブログを読んだ人の中にも、「ゴールは複数設定する」ということをせずに、「これしかないんだ!」みたいな「こうじゃなきゃダメなんだ!」のようなマインドで挑んでその通りにならなかったような、1パターン固定ゴールで、ショックを受けて、今も自我の中で引きずっている人もいるかもしれません。
過去の強いショックを受けている自分を、外側を塗り固めて防御することを打破するには、未来のゴールの力が必要です。
1パターン固定ゴール だったとしても、そのゴールに向かおうとした時の自分の内側から湧き出るような熱い情動記憶は「既にある」のです!
その輝きに気づき、新たな「こうありたい!」というゴールを、今度はもっと抽象度高く無限の可能性が広がるイメージで設定して、そこから波及するように多くのゴールを設定することで、過去の出来事なんかの重要度が急下降して、新たなゴールの重要度が急上昇するので、物事の認識が変わります。
こうなると、味わってみたらビックリするのですが、「あれ?なんでショック受けてたんだっけ?」というように、あんなに辛い思いをしてたことの記憶を忘れてしまうくらい曖昧になります。
ゴールを達成したくて、そのためにコーチに依頼する人が多いと思いますが、「ゴールが見つからない」とか「何をしたらいいかわからない」という人もコーチングを受けると、上記のようなサポートを高い抽象度で行います。
重要度の変化で「何を悩んでたんだっけ?」という感覚って、体感すると不思議ですので味わっていただきたいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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